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学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

志村貴子『淡島百景 2』

淡島百景 2

淡島百景 2

登場人物のだれがだれとどうしたこうしたがよくわからなくなってしまいました。。もともと物覚えは悪いのですが、発刊の間隔が長いこともあり、余計に。

第2巻を読んでいてふと気がついたのですが、この作品の主人公たちの屈託や葛藤、家族や友人たちに対するポジティブともネガティブとも一概に言い切れない感情のあり方、そしてそれらを抱えながら生きる(あるいは、生きてきた自分を振り返る)彼女たちの人生を、ときに数ヶ月・数年・数十年の隔たりを持つ複数の「場面」から構成してみせる方法、これはどうも夏目漱石なんかの小説の古典の類を読まされているような感覚です。

ちょっとしたエピソード、その中で登場人物たちが見せる表情や短いセリフ、それらの組み合わせでこんなに時間的にも空間的にも(≒社会的にも)深みのある物語が作られるなんてなぁ、と感心してしまいました。