M12i.

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Frankie Bagnardiほか『入門 React』

だいぶ今更の感はありますが『入門 React ―コンポーネントベースのWebフロントエンド開発』を読みました。

対象読者には、JavaScriptの挙動についてきちんと理解していること、DOMの直接操作やjQueryのような(今にしてみれば)ごくごくローレベルのAPIを提供するライブラリの利用に慣れていることが期待されています。

内容としては、Reactの基本概念から利用方法の「あるべき」、典型的アンチパターン、代表的なサードパーティ製ツールとの組み合わせ方など、Reactのエコシステムの概観までを含んだ内容になっています。

一方でこの手の参考書でよくある開発環境のセットアップ方法や"Hello World"については巻末の「付録」にさらっとまとめられているだけ。
ReactがAngularのようなフルスタックなSPAフレームワークではなく、あくまでもビュー(View)に特化した生のJavaScript(≠TypeScriptのようなトランスパイル言語)による利用を想定した、ようするによくもわるくもシンプルで世代的には少し以前のフレームワークである点を考慮しても、これは面白い構成だなと感じました。
この点私としてはデメリットとは感じておらず、Reactというフレームワークとその周辺を眺めわたすのに好都合と感じています。

JavaScriptやTypeScriptについて若干の知見があって、これまで触ったことのなかったReactについてひとまず足がかりを得たい、という方には良書ではないかと思います。