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A・ブラッドリー『不思議なキジのサンドウィッチ』

不思議なキジのサンドウィッチ (創元推理文庫)

不思議なキジのサンドウィッチ (創元推理文庫)

フレーヴィア・シリーズの完結編。前作や前々作では主人公フレーヴィアの親族や周囲の物事に対する皮肉と悪口が冴え渡っていた感がありますが、本作ではそこらへんはすっかり引っ込んでいます。代わりにこれまでもっぱら犬猿の仲として描かれてきた姉妹関係が実際には多分にアンビバレンツなものだったことが明らかにされたり、主人公とは赤の他人と思われていた町の人びとに対して強い共感が示されたりと趣が違っています。主人公の視点で描かれる物語というのは「そう思っていたけど実は…」という切り返しをするのに便利なものなのだなとつくづく思いました。ともかくシリーズを通して積み上げられてきた謎の数々も最後には解けてハッピーエンド(?)となります。

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