M12i.

学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

ハウルの動く城

ハウルの動く城 [DVD]

ハウルの動く城 [DVD]

紅の豚の物語に似て、ともすれば国家/国民主義に沸き人殺しに熱狂する社会に背を向け、距離を持って生活するハウル。

主人公に関して大きくちがうところは、マルコが人間社会に悲嘆し失望してそこから去って行ったのに対して、ハウルはその正義感や嫌悪感から国家のもとを去っていること。

その行動を自分自身で「逃げ回っている」と表現する彼はだから不安なこころを抱えていて、ソフィーとの出会いを通じて自身を再度人間社会に統合するための足がかり──けれども安易に国家/国民のもとに戻るというのではない方法を見つける…(マルコがジーナや空賊連中を含む古くて新しい仲間たちのもとに自分自身を再生したように)。

ハウルとカルシファーが出会ったその場に一時的に遭遇し、未来での再会を約束したソフィーは、その実この「いずれもたらされるべき再生・統合」というようなものを象徴しているのだろう…。などといつものように想像している。