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学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

三浦しをん『愛なき世界』

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)

三浦しをんの新刊を読みました。彼女の作品の好きなところは、落語や漫才のようなリズム感のある語り・会話と、(階級とかジェンダーとかの形で)構造化された客体かつ構造化する主体としての登場人物たちの性格付け、それらをベースにした内面描写です。
作品によって「落語や漫才のような・・・」の部分が明確に出ていたりそうでなかったりしますが、本作は前者。植物の形質や形成の研究に取り憑かれた人びとと、そういう人びとに取り憑かれた人びとのお話で、そこだけいうと堅苦しいところがあるのでしょうけれど、全編通じてコメディぽいところもあり、気楽に読むことができます。

ところで先日イオンモール未来屋書店で本書を探したところ、本書がないどころか三浦しをん著の単行本が一冊もないことがわかり愕然としました。そんなことってあるだろうかと店内をぐるぐる見て回りましたが事実ありませんでした。