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学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

チョン・ジュリ『私の少女』

cinema


映画『私の少女』(5/1公開)予告編【公式】 - YouTube

とある事情から中央でのキャリアからドロップアウトしてしまった女性警官・ヨンナムが過疎の漁村に赴任してきたところからはじまる物語。こころを閉ざしてしまった主人公は、常態的な家庭内暴力にあう少女に出会い、過疎の村の労働力不足を背景に正当化されている外国人労働者に対する搾取の問題に対処するなかで、徐々に回復をしていく──。

印象的なのは、のどかな風景のなか物語が進んでいくなかで、警察所の同僚とも村人とも一定の距離を保ち、接近してくる者には無愛想というレベルを超えて警戒心もあらわに対応するという主人公の「拒絶」の相手が、地方の村落共同体などではなく、より大きな韓国社会そのものであることが明らかになっていくところ。それからまた、保護した少女が主人公に向ける愛着がはじめやや狂気じみたものとして描かれるものの、最終的にはそれが主人公の「回復」の鍵になるところ。

現代の韓国を舞台にした映画を観るのははじめてだったため、舞台となる海辺の町の風景──道路標識、道端や海岸沿いの建築物、波止場と水揚げ場やといったいわゆるインフラの全般が、日本のそれに著しく似ているのが衝撃的でした。もちろん一方では家の中の設備や飲食品のパッケージ、衣料品のデザインやスマートフォンの機種などではより「欧米的な」印象を受けたり、学閥に関する会話に「韓国らしい」印象を受けたりもするわけですが。