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S・ジャクスン『処刑人』

処刑人 (創元推理文庫)

処刑人 (創元推理文庫)

文体は読みやすいし表現はうつくしいし、空想に没入しがちの主人公の懊悩の過程は読んでいてたのしいのです。そしてウルフの作品みたいに作品全体に妙な緊張感もあります。それにしても、比喩表現と仄めかしと空想世界の描写が渾然一体となっており、巻末の解説を読んでやっと得心した箇所もままあり。私には難しい作品でした。