テキストエディタ Smultron 5 を使ってみる
Windowsでは数年来Sakuraエディタ(職場)やEmEditor(自宅)を贔屓にしていたのですが、Mac OS Xでは使用開始から2年たってもいまだにエディタ探しが続いています。
選択肢あれこれ
開発者に無用な贅沢、ということなのかもしれませんが、Mac OS Xの洗練されたGUIを使う一方でテキストエディタはViやEmacs、あるいはMiでがまん、というのは私にはできないはなしです。
Sublime Text 2は高機能だしビジュアルも納得のいくものですが、シェアウェアで59ドルという結構なお値段です。
機能性から言えばプログラム開発者への正当な対価だと思いますが、私の場合おそらくこのエディタの高機能性はあきらかに手に余ります。
それでフリーではなくてももっとお手頃なエディタを探していたところ、Smultronというのを見つけました。AppStoreにも登録されていて、Smultron 4がMac OS X Lionまで対応、Smultron 5がMountain Lion対応ということのよう。フリーウェアではありませんが、450円なので他の高機能エディタにくらべればかなりお手頃。
このSmultronからフォークしたものかFraiseというアプリもあったようで、こちらのほうが機能的には優秀なようですが(タブ表示に対応しており、設定項目も豊富)、2011年ころに開発が停止しています。
Snow Leaopardのユーザであれば問題ないのかもしれませんが、私のMountain Lion環境では、そもそも既存ファイルが開けない、ウィンドウ0個の状態で一度アプリを終了し再度起動した後にどうしてもウィンドウが表示できなくなるというような致命的な問題があって選択肢として論外でした(もしかするとLionまでは何とか対応しているかも)。
ちなみに系統を異にするエディタとしてmiやCotEditorがありますが、miはGUIがMac OS Xのそれに馴染まなくてなんとも違和感たっぷりですし、CotEditorはファイルを開こうとするとアプリがクラッシュします(あくまでも私が使用している環境で、しかも記事執筆時点でのはなしです)。
Smultron 5を使ってみたところ
Smultron 5はひとによってはタブ表示に対応しているなどと紹介されていることもありますが、そんなことはありません。純然たるタブ表示非対応のテキストエディタです。かわりにメニューやショートカットキーなどでファイルを表示している各ウィンドウを切り替えます。
他のエディタに対する優位点としては、
- GUIがMac OS Xのそれに統合されている(でもこのアイコンよくわからない…)
- シェアウェアながら450円と安価
- さまざまな言語の構文強調表示に対応している
- さまざまなエンコーディングに対応している
- 自動インデントや選択行の一括インデント(Tab/Shift+Tab)に対応
- 選択行の一括コメントアウトとコメント解除に対応
- 操作性に難があるが正規表現検索に対応している
- ファイルの文字数・単語数、選択範囲の文字数などを常時表示できる
- 言語によってはコード折りたたみなどもできるらしい
- シンプルながら入力候補表示(サジェスト)がある
──といった感じです。
劣位点としては、前述の通りタブ表示に対応していないために、複数ファイルを開くと編集ウィンドウも複数表示されてしまい、画面が散らかってしまうこと(各編集ウィンドウはメニューやショートカットキーで切り替え可能)。また詳細検索時に検索用ウィンドウと編集ウィンドウとの間の往き来にちょっとおっくうに感じられるところがあります。
とはいえ使いはじめは総じて満足といったところ。細かな親切機能がなかなかよいです。