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M12i.

学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

藤野恵美『ふたりの文化祭』

book

ふたりの文化祭

ふたりの文化祭

現代のふつうの(?)高校生が文化祭の企画に取り組むなかで、何かしらの心理的な変化を経験する、というジャンル。活字は大きいし紙は厚めなのでお話はどんどん進展してしまい、「え、そんなところで結び?」と、名残惜しさを感じるまもない慌しさのうちに終わってしまいます。印象に残っているパラグラフのひとつ──

笹川くんに気まずい思いをさせてしまって、申し訳ない気持ちになる。こういうのが、嫌なんだ。ほとほと、自分にうんざりする。……面倒くさい。早く帰って、ひとりで本を読みたい。切実に、そう希求する。丹念に書きこまれた心理描写を追うことで、他人をわかったようなような気になりたい。そうすれば、少しは安心できるから。(118ぺ)

──そんな、自覚され、実践された内向性の思考の中に閉じこもる主人公には、ぜひともいま暫くの間、そしてできるなら最後の最後まで、その姿勢を貫き通して欲しかった。なんて思うのです。

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