M12i.

学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

千早茜『男ともだち』

男ともだち

男ともだち

こういう「社会的空間」とか社会的な地位指定に関する自意識について言及するところの多い著作が好物です。この作品自体は差異化・卓越化(ディスタンクシオン)について深く言及してそれをテーマにもしているようなものとはちがいますが。

そして本作の「バイトや派遣、水商売だとかの経験を持つ女性イラストレータ」といういろいろな意味でインフォーマルな地位にある主人公が、半ばその地位ゆえに友人関係や異性関係のなかで他人だけでなく自分自身の生き方をも相対化しながら内省的に成長していく物語、というのがまた好みに合いました。

しばらくこの人の作品を読んでみようかと思っています。・・・そしてこの作品を読みふけっていたために、休日中に済ませたかったあれこれが日曜深夜時点ですべて手付かずという素晴らしい状況に陥ってしまいました。