JP1/AJS2は基本的にショートファイル名で実行ファイルを取り扱う
先日の記事 JP1/AJSから実行すると*.exe.configが読み取れないケースがある で取り上げた事象の原因がわかりました。分かってみればなんのことはありません。「それは仕様です」ということでした。
JP1/AJS2はPCジョブの[詳細定義]ダイアログボックス*1の[実行ファイル名]欄に指定されたパスを基本的にショートファイル名(別名:8.3形式)に変換した上で実行するのです。必ずショートファイル名が利用されるというのではないのですが、ロングファイル名が利用されるケースのほうが少ないのです。
これについてはHITACHIが公開しているリファレンスのあるページに次のような記載がありました*2:
ジョブの実行ファイルの名称は,通常,NTFS(NT File System)およびFAT(File Allocation Table)ボリューム上のファイル用に生成されたショートファイル名に変換されます。ジョブの実行ファイルをショートファイル名に変換しないでロングファイル名で実行したい場合は,次に示す手順でオプションを有効にしてください。
なお,キューレスジョブの場合は,ショートファイル名に変換しないでロングファイル名のまま実行されます。
このページでは「環境設定パラメーターIsExecFindExecutableに『1』を設定」することでこの挙動を抑制する方法が紹介されているのですが、それでもページ末尾には次のようにあります:
次の条件が重なるジョブを実行した場合は,環境設定パラメーターIsExecFindExecutableに「1」を設定していても,実行ファイルをショートファイル名に変換して実行します。キューレスジョブの場合でも,この条件によって実行ファイルをショートファイル名に変換して実行します。
- [実行ファイル名]に指定したファイル名が相対パス指定で,ファイル名の拡張子が「.exe」,「.bat」,「.cmd」,「.com」または「.pif」である
- 1のファイルパスをジョブ定義の[ワークパス]で指定している
ジョブをロングファイル名で実行したい場合は,次のどちらかの操作を行ってください。
おまけに、これは厳密に言って「仕様」なのか不明ですが、[ワークパス]に何も入力していない状態 かつ [実行ファイル名]に絶対パスが指定されている場合でも、コマンドライン引数が[パラメーター]欄に独立して記述され、[実行ファイル名]には文字通り純粋な実行ファイル名が記述された状態である場合(≠実行ファイルの後ろに半角スペース区切りでコマンドライン引数が指定されている場合)、結局実行ファイル名はショートファイル名に変換されてしまうようなのです。
反対に[実行ファイル名]に「実行ファイルの絶対パス+半角スペース+コマンドライン引数」という記述をしていれば、実行ファイル名はロングファイル名として処理されました。
JP1/AJSから実行すると*.exe.configが読み取れないケースがある
JP1/AJSから.NET Frameworkのコンソールアプリを実行したときに起こることがある事象についてです。今のところ、なぜこれが起こるのかわかっていません。したがってこれが.NET Frameworkの問題なのか、当該アプリ固有の問題なのか、それともJP1/AJSの問題なのか、あるいはそれ以外なのかはわかりません。そういうわけで、どうしたら事象を解消できるのかも分かっていません。 その後、原因がわかりました。JP1/AJS2の仕様でした(2017/06/23追記)。
事象
JP1/AJSのPCジョブで.NET Frameworkのコンソールアプリの*.exeを実行するとき、*.exe.configが読み取れない。
読み取りにあたって何か例外がスローされるわけではない。ファイルがそもそも存在していない扱いとなり、ConfigurationManager.AppSettings
プロパティが返すNameValueCollection
の内容が空の状態となる。
環境情報
OS | Windows Server 2008 R2 |
AJS | JP1/AJS3 Agentサービスを利用。ただし別サーバで稼働するManagerサービスはJP1/AJS2。Agent/Managerのバージョン差異については、当該環境構築したおりHITACHIのサポートより問題ない旨の回答を得ている。 |
.NET | .NET Framework v4.5.2 |
表面的な原因
この事象が発生しているとき、Assembly.GetEntryAssembly().Location
プロパティが返すアセンブリのパスが「*.exeの配置されたディレクトリのパス+ "\" + *.exeのベースネーム("*"部分)の先頭6文字の大文字表記 + "~1.exe"」という値になっている。
つまりもし*.exeが "C:\path\to\SampleApp.exe" である場合、上述のプロパティが返す値は "C:\path\to\SAMPLE~1.exe" となる。
このため本来のアプリケーション構成ファイル "SampleApp.exe.config" の内容はそのままに、名称を "SAMPLE~1.exe.config" としたものを用意しておくと、この内容が読み込まれて、ConfigurationManager.AppSettings
プロパティが返すコレクションのエントリーとしてプログラム側から参照できる。
根本的な原因
今のところ不明。 前述の通り、この記事を書いたあと、原因がわかりました。JP1/AJS2の仕様でした。JP1/AJS2は基本的にPCジョブの実行ファイル名をショートファイル名に変換してしまうのです(2017/06/23追記)。
同様の構成(環境情報のセクションを参照のこと)で稼働するアプリでこの事象を発現しているものは今のところ見つかっていないため、PCジョブの設定もしくは*.exe自体に原因がある可能性が高いが、突き止められていない。
Visual StudioでNUnitのテストケースが表示されなくなった
Visual Studio 2017とNUnit 3.7の組み合わせで遭遇した事象とその対策方法です。stackoverflowのこちらの記事で見つけました。
事象
Visual StudioのテストエクスプローラにNUnitのテストケースが表示されなくなった。前日までは表示されていたのに、いつの間にかされなくなった。
テストケース自体(TestFixtureAttribute
やTestAttribute
を付与したコード)には何も変更を加えていない。ソリューションやプロジェクトの設定情報も特段の変更をしていない。
以下の作業を行っても状況に変化がない:
環境情報
OSとソフトウェア
OS/SW | バージョン | 備考 |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home | |
.NET Framework | 4.7.02046 | |
Visual Studio | 2017 Community / v15.2 Release | |
NUnit | 3.7.1 | NuGetを使用してプロジェクトにインストール |
NUnit3TestAdapter | 3.7.0 | 同上 |
対策
%TEMP%\VisualStudioTestExplorerExtensions\NUnit3TestAdapter{バージョン}
フォルダを削除してからソリューションをオープンするだけです。
実際のフォルダのパスは、私のPCではC:\Users\{ユーザ名}\AppData\Local\Temp\VisualStudioTestExplorerExtensions\NUnit3TestAdapter{バージョン}
というものでした。
前述の記事では親フォルダのレベルから削除するように記載がありますが、少なくとも私の場合はNUnit3TestAdapter{バージョン}
フォルダの削除で解消できました。