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Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11取得しました

先日、OCJ-PのJava11対応バージョンの日本語試験が夏前にリリースされていたことに気が付きました。これは少なくとも私の認識している限りではJava8対応バージョンの試験のリリース後の初めての新バージョンの試験であり、Java9で行われた重大な変更であるモジュールシステムの導入やその後加えられたインターフェース定義の拡張などの内容を含むものです。

受験したのは"Upgrade OCJP Java 6, 7 & 8 to Java SE 11 Developer"(1Z0-817)試験です。OCJ-Pの旧バージョン保持者に対してアップグレード機会を提供するものです。私の場合はJava SE 8→Java SE 11ということになります(数年前にJava SE 6→Java SE 8にアップグレードしました)。Oracle社の公式サイトによればその内容は以下の通り:

  • モジュールの理解
    • モジュール型JDK
    • モジュールの宣言とモジュール間のアクセス
    • モジュール型プロジェクトのコンパイルと実行
  • モジュール型アプリケーションにおけるサービス
    • ディレクティブなど、サービスのコンポーネント
    • サービス・タイプの設計。ServiceLoaderを使用したサービスのロード。コンシューマ・モジュールとプロバイダ・モジュールが含まれているサービスの依存関係のチェック
  • Javaのインタフェース
    • メソッドによるインタフェースの作成および使用
    • 関数型インタフェースの定義および記述
  • ストリームに対するラムダ演算
    • map、peekおよびflatMapメソッドを使用したストリーム・データの抽出
    • findFirst、findAny、anyMatch、allMatchおよびnoneMatchメソッドによる検索を使用したストリーム・データの検索
    • オプション・クラスの使用
    • ストリームに対するcount、max、min、averageおよびsum演算を使用した計算の実行
    • ラムダ式を使用したコレクションのソート
    • ストリームに対するCollectorsの使用(groupingByおよびpartitioningBy演算を含む)
  • I/O(基本およびNIO2)
    • Pathインタフェースを使用したファイルおよびディレクトリ・パスの操作
    • Filesクラスを使用したファイルまたはディレクトリのチェック、削除、コピー、移動
    • ファイルに対するストリームAPIの使用
  • モジュール型アプリケーションへの移行
    • 移行用のモジュールにJava SE 8アプリケーションを分割して、SE 9~SE 11より前のバージョンのJavaを使用して開発したアプリケーションを移行する(トップダウン移行とボトムアップ移行を含む)
    • jdepsを使用して依存関係を調べ、循環的な依存関係に対処する方法を識別
  • Local Variable Typeインタフェースの使用
    • 関数型インタフェースの定義および記述
    • ラムダ・パラメータ用のローカル変数とステートメント形式のラムダが含まれているラムダ式の作成および使用
  • ラムダ式の理解
    • ラムダ式の作成および使用
    • ラムダ式とメソッド参照の使用
    • Predicate、Consumer、Function、Supplierなどのコア関数型インタフェースの使用
    • java.util.functionパッケージのベース・インタフェースのバイナリ・バリエーションとプリミティブの使用
  • 並列ストリーム
    • 並列ストリームを使用するコードの開発
    • ストリームで分解と縮小を実装
  • 例外処理とアサーション
    • try-with-resources構造の使用
    • カスタム例外クラスの作成および使用

実際に受験したところの感想としては、(当たり前といえばそうですが)この箇条書きにあるとおりの内容が出題されたように思います。

モジュールについて「トップダウン移行とボトムアップ移行」という聞き慣れない言葉がありますが、私は「トップダウン移行=既存リソースのJARをモジュールシステムの中で運用する、つまりAutomatic ModuleやUnnamed Moduleを利用する」と理解し、「ボトムアップ移行=新規/既存リソースにmodule-info.javaを組込みコンパイル方法も相応の内容にすることでモジュール化する、つまりNamed Moduleを利用する」と理解しました。

試験で出題される問題の実際についてはここで述べられませんが、Java SE 8の資格を持っている方については、以下の事項をCodeZineやQiitaの記事で学習することで受験準備になると思います:

  • モジュールシステム追加とこれに密接に関わるSPIの変更
  • インターフェース宣言ルールの変更(インターフェース宣言は修飾子省略規則がクラス宣言と異なるので注意)
  • varキーワード追加とその変更(利用可能箇所がラムダ式の仮引数にも拡張された点も注意)
  • try(…)句の変数宣言についての変更
  • jdepsコマンドと、java・javacに追加されたコマンドラインの概要

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