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A・コルバン、小倉孝誠ほか『身体はどのように変わってきたか』

身体はどのように変わってきたか 〔16世紀から現代まで〕

身体はどのように変わってきたか 〔16世紀から現代まで〕

著者によれば本書の位置づけは、A・コルバン、J-J・クルティーヌ、G・ヴィガレロの監修になる『身体の歴史』全3巻のイントロダクションというかダイジェストというか、というものらしいです。

内容は半分以上が全3巻の各章の紹介・要約で、残りが『身体の歴史』の翻訳に関わった小倉孝誠、鷲見洋一、岑村傑の3氏の論文。これらは『身体の歴史』にあまり触れられていない「身体」と「文学」(あるいは人文科学)の関わり合いについての論考を補うことが目的のようですが、内容に関していうとどうにも分析が浅かったり論述が散漫で結論に「?」と感ぜざるをえないものだったり。

多分この本で語られていることを読んでわかるレベルのひとであれば、そもそもこのイントロダクションを経ずに直接『身体の歴史』にあたっても問題ないのではないかと感じました。