宮崎夏次系『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』
夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニングKC)
- 作者: 宮崎夏次系
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: コミック
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帯によれば「さびしさ」がテーマの一冊。
本書を読みつつ、「なるほどそう言われるとそうかもしれない」と思いつつも、「それでいれば『僕は問題ありません』とか『変身のニュース』もそうなのではないか」などとも。
宮崎夏次系の作品ではいつも、奇っ怪な世界で奇っ怪な登場人物たちが彼らなりの「日常」を過ごしている。その登場人物たちはたがいにいつもほんの僅かな接点、すぐさま崩壊してしまいそうな前提、カタチの定まらない感情でもって互いに共感しあっている。
そういう本質的には個々バラバラで、ニュアンスでのみ、曖昧な表現/非表現でしか繋がりを持つことのできない個人とその影を、真っ白な空白や薄いトーンと入道雲で連想される強い日差しが照らし出している。
そこにはいつも一種の「さみしさ」が汲み取れる気がする。