ジンジャーの朝 さよならわたしが愛した世界
友人関係と家族関係、反核運動に対する関わり方を通して、主人公の「成長」を描く作品。
身近な人びととの同化を指向し、自分周囲の世界に何とかして整合性・統一性を打ちたてようとする段階(子ども?)から、自他の差異──ときに対照的なかたちで、またときに微妙なかたちで表現される差異──を認識して、それを一定程度しかたのないものとして許容する段階(おとな?)へ。
キューバ危機前後の西欧世界に広がっていた緊迫感だとかを知っていないと理解できないシーンも多々あったように感じる。私自身それを「知らない」世代なので、「〜ように感じる」というあくまでも想像のことではあるけれど。