八鍬友広『闘いを記録する百姓たち:江戸時代の裁判学習帳』
闘いを記憶する百姓たち: 江戸時代の裁判学習帳 (歴史文化ライブラリー)
- 作者: 八鍬友広
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2017/09/15
- メディア: 単行本
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「目安往来物」というジャンルから、中世近世の「一揆」のあり方や百姓身分の識字教育のあり方、そして「一揆」の語り方と創作作品との関連性などを示唆してくれる書。
ただ、資料や研究のテーマの都合、ある程度は「木から森を想像」的な見方が必要なのかと思うが、発生も伝播もある程度限られた事例・地域にとどまっており、これだけを以てどこまで一般性の問題を論じられるのか若干疑問に感じるところあり。また分析の視点にやや自生的もしくはナイーブな感じを受ける。もちろんこうした地道な研究とその中での仮説提示が学術的な知の成熟の礎ではある。