M12i.

学術書・マンガ・アニメ・映画の消費活動とプログラミングについて

ディプロ2016/9「そしてマネは物議をかもした」

ル・モンド・ディプロマティークにP・ブルデューの草稿が載っていました。

そしてマネは物議をかもした」。エドゥアール・マネが19世紀画壇で行った革命は、結局どのような状況下で(こそ)生み出され、どのような状況下で(こそ)受容・消費されたのか。

日本語版*1を読んでいて何だか釈然としない気がしていたのでちらと原文*2を見たらば、日本語版はだいぶ中略をしていたようです。

日本語版の結び「そして、わたしが強調したいのはこの最後の点についてです。」のあとに、原文ではおおよそ「なぜならこの問題は、美術史家、文学史家、法律史家、人文に関するすべての歴史家に通底するものだからです。」という一文と引き続きの数パラが存在していました。

"…Et, d’autre part, sur le fait que cette esthétique de la réaction, ou de l’effet, doit être une esthétique de la disposition et non pas de l’intention. Et c’est sur ce dernier point que je voudrais insister, parce que c’est un problème tout à fait général qui se pose aux historiens de l’art, de la littérature, du droit, bref, aux historiens de toutes les œuvres humaines."

「…そして他方では、〔マネの絵画作品に対する〕反響あるいは効果に関する美学は〔生産者と消費者の〕『意図』の美学ではなく、〔彼らの〕『性向』の美学でなければならないという事実に基づいています。そして、わたしが強調したいのはこの最後の点についてです。なぜならこの問題は、美術史家、文学史家、法律史家、人文に関するすべての歴史家に通底するものだからです。」

*1:日本語版のURLはこちら: http://www.diplo.jp/articles16/1609-MDVmanet.html

*2:原文のURLはこちら: http://www.monde-diplomatique.fr/mav/148/ ただし2017/01/31現在サイトの会員でないと閲覧できなくなっている模様。