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深緑野分『オーブランの少女』

オーブランの少女 (創元推理文庫)

オーブランの少女 (創元推理文庫)

デビュー作の「オーブランの少女」を含め5篇からなる1冊です。先日読んだ『分かれ道ノストラダムス』もそうでしたが、この作者さんは時間的な奥行きを持ったミステリーを書きます。その上作品世界の「現在」は近代だったり現代だったり、地域も英国だったり北欧だったり。その舞台のしつらえ方にちょっと米澤穂信の作品も思い出します。どのお話もまあ面白いのですが、いわゆるイヤミスとは違った意味で、どうもすっきりしない気分になる結末のものばかりでした。