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J・V・ドルマル『神様メール』を観てきた


映画『神様メール』予告編

先日Bunkamuraに行った時に予告編かフライヤーかで見かけた映画『神様メール』を観てきました。

「聖書」をネタにしたコメディです。原題は"Le Tout Nouveau Testament"で、作中の字幕では「新・新約聖書」。まあたしかにこんなタイトルでは日本語における語感としては堅すぎるのでしょう。「神」の娘である主人公が、父のPCから世界中に一斉送信した各自の余命を知らせるメールは、なるほど新たなる啓示、新たなる使者の証明、新たなる契約の先触れというわけで、「新・新約聖書」の代わりに「神様メール」とするのはなかなかうまいなぁと。

創世の原点=ブリュッセル、父=神=ろくでなし、兄=2000年前に地上に降りフィーリングで語った男、主人公=兄に続いて福音とともに地上に降り立つ少女=新たなる使徒6人を探しまわる──などなど色々ふざけた設定ですが、映像自体は静謐で青白くて美しい、「自分の残りの人生の時間」に各々の方法で向きあおうとする登場人物たちの真摯な態度を反映させている印象をうけるものでした。