ブリュノ・デュモン『フランドル』
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2008/01/09
- メディア: DVD
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10年前のカンヌ国際映画祭で審査員グランプリ受賞を受賞したという作品です。作品は、タイトルともなっているフランドル地方の農村の風景ではじまり、閉塞感と停滞感の漂う村の若者たちの日常を淡々と描いた後、イラク戦争を想定していると思われる砂漠の戦場の風景に移ります。そこで人殺し、拷問、性暴力をこれまた淡々と描いた後、はじめの農村風景へと戻ります。
率直にいって「人間という種族のしょうもなさを今さらこうして素朴に描いてみせたところでなんだというのか」というのが感想。想像を逞しくして登場人物たちの行動に寓意をみる(それは実際監督の意志でもあるのでしょう)、という真剣な態度を要する作品ということかもしれません。なんだか馬鹿にしているように聞こえかねないですが他意はないです。西欧諸国はこの戦争に関してその歴史的経緯にも現在進行形の戦争にも、そしてその戦後処理にも深く関与していますから、そのコンテクストも作品理解、というか作品評価の理解に重要なのかもしれません。