売野機子『MAMA 3』
- 作者: 売野機子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/03/08
- メディア: コミック
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今回はシオンが主人公。メガネ少年がメガネ少女と出逢います。ようはメガネが書きたかったんですねと。そんなわけでちょっと釣巻和の作品を思い出すところもありました。
相変わらず人物にしても舞台にしてもよく描かれていて、読みようによって色々意味を引き出せるようにできている一方で、ストーリーは淡々と進んでいきます。
彼を心配するレビはともかく当人(とデボラ)は僅かなシーンを除いて感情をまったく面に出さないように描かれています。そしてそれは彼らの「自然」な態度などではなくて彼らなりの選択に基づく意識的な振る舞いの結果であり……という葛藤を描ける(描かないことによって描くことができる)のも売野機子の魅力ですね。
それはそれとして今作の主人公たるシオン(とデボラ)のモノローグやダイアローグが若干難解で一回読んだだけではよくわからなかったのですが… :(