松島直子『すみれファンファーレ』
- 作者: 松島直子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: コミック
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こういう絵柄って好きだなーと思う。すごくデフォルメされているわけだけど、テーマ的にすごく合ってもいる。
“片親”であることによる苦労や不満というのも、“双親”(?)であることによる充足というのもわからないけれど、他人の片親家庭への印象や気遣い・・・に対する反映としての当人たち子どもの側の表象戦略とか、避けては通れない家族成員に関連する会話への事前の“構え”についてはよくわかる。
それは「一口に家族といってもいろいろあるものらしいな」と一歩引いて眼前の状況を眺める姿勢であったり、相手の気遣いの構えを一刻も早く解いて、日常会話のリズムを取り戻そうという、大抵いつもうまくいかない発話術であったりするわけだけど。
そういう双方の“構え”──お互いのレディネスの噛み合わない瞬間というのは、あとで自ら振り返ったりこうして読み物として見せられたりすると、やはりいろいろの気付きがあっておもしろいものである。